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2008年2月 2日 (土)

最後の一句

森鴎外の作品がある

「最後の一句」

そこに描かれていたのは

”お上”の強烈なエリート意識と

”庶民”のお上を信じる素朴な信頼感。

できるだけ、任期中に問題を起こさないようにと願う”お上”と

ただ、命をかけて素直に自分の願いを必死に述べる”庶民”

そして、心をえぐる鋭い一句を述べるのは

”お上”の思い上がった知識ではなく

”庶民”の素朴な哲学から導かれたココロの中からの言葉でした。

「お上の事には間違いはございますまいから」

きっとその言葉には”お上”だってそのまま飲み込むしかなかったはずです

だって、ずっと”お上”はそうだって”下々の者”だって思いこんでいる”庶民”に

言い放ってきたのですから。

きっと作者は、そんな思い上がった官僚社会に対して

鋭く冷ややかな視線を注いでいたのではないのかと思うのです。

「こんな結果になって、残念です」

テレビの記者会見で、誰かが言いました。

”お上”は結局あのとき作者が描いたっきり。

「お上の事には間違いはございますまいから」

その言葉に対して何か返せたのなら

きっと「残念」なんて言葉使わないのだろうと思うのです。

その言葉には、相変わらずの事なかれ主義と思い上がりが

込められている。

そんな気がするのです。

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